週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

ブッシングダイでトリマが不要になる説

ライフルの薬莢って,使う度に少しづつ伸びてきます.ボディの伸びはフルサイズをかければいいけど,ネックは長手方向には縮小しないので,許容量を超えたらトリミングしないといけないことになっています.伸びるのは発砲したことによるとされている雰囲気がありますが,実際はサイジングで伸びてるんじゃないかって思うのですね.

 

というのも,普通のサイジングダイにかけるときは,一度ネック外径を適正値よりも縮小させ,そのあとボタンで内径を適正値まで引き延ばすわけですけども,ボタンを引き抜くときに相当な力が必要なのです.要するにそれってネックを伸ばしているわけです.

 

ところがブッシングダイは最初から外径が適正となるように圧縮する仕組みですから,ボタンで内径を拡大しないため,引っ張る力がいりません.そういえばブッシングダイを使うようになってから,トリマーって使ったことあるっけ?ってくらいご無沙汰なのです.もちろんサイジングする前に十分なクリーニングと潤滑を行えば,これと類似した効果が得られると思います.

 

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ブッシングダイの内部構造 (Redding製).矢印の金色の部品がブッシュ

 

というわけで,ブッシングダイはこのような意味でもおすすめできるのですが,唯一の欠点は,そのブッシュサイズの適正値が薬莢によって異なると言うことですね.だから 1/1000" 単位でいくつも持っておかないといけないし,それが結構コストがかかるという点がよろしくない点です.

 

#蛇足

ブッシュは,弾頭径に薬莢のネックの厚みを足して,2/1000" 程度減じたものを用意します.この減ずる値を加減するとテンションが調整でき,またネックの厚みはメーカーによってもだいぶ異なるので,ブッシュは結構いくつも持っていないと真価が発揮できません.薬莢メーカーを一つに決めれば,だいぶ少なくて済みますが,それでもブッシュ一つでは心許ないです.面倒くさいなぁとか,よく分からんという方は,普通のサイジングダイを使った方が確実です.薬莢を綺麗にしてからサイジングするようにするとか,ボタンにカーバイドを使うとかいう対応もあります.