週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

銃猟は散弾銃からがいいと思う

前エントリで「狩猟免許は第一種からがいいと思う」と題して,狩猟に対する明確なビジョンがないのであればですが,わなよりも銃猟,そして第二種より第一種をおすすめしました.第二種だと空気銃猟だけで,散弾銃は使用出来ませんが,第一種はどちらでも登録できるからです.今回のエントリは空気銃より散弾銃の方がスタートに合う人が多いのではないかというお話です.

 

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自動式散弾銃の例:Remington 11-87

 

前にも書いたとおり,空気銃猟は散弾銃猟に比べて出来ることが限定され困難も多いので,もちろん独特の面白さはあるものの,それを感じるよりも前に苦難だけを感じてしまい,ろくに猟果を得られるままあきらめて辞めてしまうパターンがあります.家の近所で撃てる人なら簡単に場数が踏めるので,このことは必ずしも当てはまりませんが,特に猟場まで時間がかかるところに住んでいると顕著になります.散弾銃のほうがチャンスが多いし,ある意味万能なので,逆に散弾銃からスタートし,空気銃でも挑戦できるシーンをいくつか経験してから,それでも始めたいなら空気銃猟にも入る方がいいのではないかなと思うのです.

 

あとは銃自体の値段についてです.もちろん中古だと値段は様々なので必ずしもどっちが安いとは言えませんが,一般論として空気銃はかなり高いです.昔の空気銃は安価ですが,圧縮が手動ですので,一発撃つまでに体力を消耗したり,弾速が得られなかったりしました.今はプレチャージ式というタイプがだいぶ幅をきかせています.これはスキューバで使うようなボンベから圧縮空気を充填するため,体力が要らずに圧力を一定に保てる(=弾速が安定する)反面,その維持にもコストが掛かります.200気圧なんて高圧は家庭用のコンプレッサーでは作れませんから業者に頼むことになるし,ボンベの定期検査も必要です.散弾銃は銃自体もプレチャージ式空気銃の半額以下だったりしますし,弾代こそ一発何十円かするものの,ボンベなどの銃以外の道具が必要なプレチャージ式空気銃と比べれば,維持にお金は掛かりません.

 

最後にもう一つ,先のことも考えます.それはイノシシやシカを狙うようになると,やはりライフルが欲しくなると思います.ところが狩猟用ライフルの許可を得るには,現行法では装薬銃の経験が継続十年以上必要なのです.これには空気銃の経歴は算入されません.ですから,空気銃でスタートして回り道をしても,後から散弾銃を買えば同じかというと,全く同じというわけではないということです.空気銃猟を数年やって狩猟の世界を垣間見ると,その延長線上にある大物猟をやりたくなる人も多いです.そのときに散弾銃を買うことになるでしょうが,それまでの数年間がそのままライフルお預け延長期間ということになります.そのときになって「結局散弾銃を買うのだったら,先に買っておけば良かった」となるわけです.ただこういう経験をしても「喉元過ぎれば熱さを忘れる」で,いざライフルを持った後にはあまりそのことを声高に言う人は多くなかったりしますね.笑 でも人生ってそんなに長いわけじゃないので,その数年って結構貴重じゃないでしょうか.