昨晩はケースの選別だけで終わっちゃいましたので,今日はもう少し進めましょう.
30-06 はそもそもが他人の銃で撃ったものですし,308Win も自他混ざっています.それにセミオートで使うので,どっちにしてもサイジングはフルでいきます.まずは数の少ない 30-06 から片付けちゃいます.
最初のステップはルーブです.ダイ(金型)に圧入する際に,そのままだと金属同士が焼き付いてしまうので,ラノリン系のワックスを塗るのです.一般的には一つづつ塗るものですが,私は面倒なので...
そう.並べて,クリクリっと.題してクリクリルービング.笑 何往復か指で転がせばバッチリです.まあダイに入れる最初の薬莢だけは少し多めに塗りますけど,あとはこの程度でOK.そういえば以前撮った動画がありましたので貼っておきます.
塗ったらプレスにセットしてがちゃーんと.
長さなどは問題ないか,ケースゲージにいれて確認します.
ゲージに収まってるので大丈夫.30-06 は数も少ないのですぐに作業完了.ついでメインディッシュ(笑)の 308Win に行きます.
これもフルレングスサイジングブッシングダイといって,マウスのエキスパンダが付いていないタイプです.外径のみの成型となりますが,作業が軽く行えるので,今は標準的なダイはバックアップに回っていて,使うのはもうコレばっかりです.人間,楽な方に流れますねぇ.作業工程自体は先ほどの 30-06 といっしょ.終わったらゲージに掛けます.
30-06 のケースゲージにはヘッドスペースの上下限を示す溝があり,その溝の範囲にあれば長さはOKという仕組みですが,ここで使っているゲージには溝がありません.なので,フラットゲージで当たらないかだけ確認します.
というのも,そもそもこのゲージはヘッドスペースゲージではなくて,ミニマムチャンバーゲージという別モノなのです.
何が違うかというと,ヘッドスペースゲージは長手方向のみ確認できるもので,対してミニマムチャンバーゲージは SAAMI で規定された最小の薬室サイズで作られているため,長手方向だけでなく,太さも確認することが出来るのです.セミオートに使うときには太さにも余裕がないと,回転不良のもとなので一応確認しておくのです.
念のためマウス径もゲージで確認.
よし,OKですね.ちなみに普通のダイだとエクスパンダでネックが引っ張られるからか伸び率を感じますが,ブッシングダイだと抑えられるようで,トリミング頻度が低くなったような.ブッシングダイの問題は最適なブッシュの選択ですけど,その辺のお話はまたそのうち.
第三夜につづく.