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【射撃を始める】許可手続きのまとめ

ようやく所持許可までこぎ着けた私(編者注:原著者T氏のことです)が忘れないうちに,許可申請手続きの流れと,必要な書類などを参考までに紹介します.手続きについてはどこでも概ねは同じだと思いますが,必要書類の部数などは場所によって(都道府県どころか,警察署によっても)違うことがあるので,実際に始めようと思ってらっしゃる方は,必ず自分の住所を管轄する警察署(通常は生活安全課保安係銃砲担当)にお問い合わせください.ここで示した書類と部数は私の所轄での話です.また各手続きに関しては担当官が決まっていることが多いですが,担当とは言っても銃砲許可専門で仕事をしているわけではなく,事件などで出ていることも多いはずなので,訪ねていく時は必ず電話でアポを取ってからにしましょう.

 

 

1 初心者講習 申し込み(所轄警察署生活安全課保安係)

 まず自分の住所を管轄している警察署(以降所轄といいます)で初心者講習の申し込みをします.必要なものは以下の通りです.申し込みが完了するとテキストが貰えますので,講習までに通読しておきましょう.

  • 初心者講習申込書 (署で貰えます)
  • 印鑑
  • 住民票 (本籍・世帯全員が記載されているもの) 1通
  • 写真 (ライカ判=縦36mm×横24mm) 1枚
  • 申請料 6800円

 

2 初心者講習 受講(指定された会場)

 指定された日時に会場に行き講習を受けます.最後の試験に合格すると「講習修了証」が貰えます.

  • 筆記用具 (鉛筆,消しゴム,ボールペン)
  • 印鑑
  • 講習申し込み時にもらったテキスト

(必要があれば参考までに)銃砲店などで入手できる「銃砲所持許可取得の要点」.申し込みで受け取ったテキストより要点がまとまっていて分かりやすいのでお勧めです.ただし今後の手続きでは署でもらったテキストが参考になるので,講習が終わっても捨てないように.

 

3 教習資格認定 申請(所轄警察署生活安全課保安係)

  講習を修了したら後は実技ですが,実銃を扱うために,その資格,すなわち危険性の有無(要するにアブナイ人間か否か)などを調査されます.場合によると電 話や訪問によって聞き取り調査が行われます.このように教習を受ける資格があるかの認定を受けるための申請書を提出します.実際に認定がおりるまでには 1ヶ月ほど掛かることが多いようです.

  • 教習資格認定申請書 1通
  • 経歴書 1通
  • 戸籍抄本 1通
  • 写真(ライカ判 36x24mm) 1枚
  • 印鑑
  • 講習修了証明書(原本提示,コピー1部提出)
  • 診断書
  • 申請料 7900円

 

4 教習資格認定 受領(所轄警察署生活安全課保安係)

  無事に教習資格認定がおりると担当官から電話連絡があります.すたこらさっさと受け取りに行きましょう.教習には実包を使いますので,その譲受許可申請書 も同時に出して許可を貰っておきます.普通は300発分の許可が貰えますが,実際に購入し使うのは50~75発です.使う数は場所や成績で決まってきます ので,銃砲店で相談するのがよいです.

  • 印鑑
  • 猟銃用火薬類等譲受許可申請
  • 上記申請料 2400円

 

5 教習射撃 受講(教習射撃を行う射撃場)

  教習射撃を行ってくれる近隣の射撃場(自分の住所のある都道府県である必要はない.というか例えば東京には無いわけだし)に電話して,自分の都合のつく日 時で教習が受けられるか,また料金なども確認しておき,いちばん自分にあった条件のところに予約します.装弾別クレー代込みで大体20000円から 35000円の間くらいかかります.教習は50発(練習25発,試験25発)のところと75発(練習50発,試験25発)のところがあるようです.50発 で行うところの方が講習料が安い傾向があります.装弾は自宅に装弾ロッカー(金庫などでも可)があれば,近所の銃砲火薬店で買っておいても良いですが,もし無ければ,ちょっと高めですけど,射撃場で買うのが良いでしょう.でもどっちにしても装弾ロッカーは必要になると思うのでこの時点で買ってしまってもよいかもしれません.トラップとスキートでは装弾の種類が違うので注意します.(装弾はどこでも販売しているとは限らないので,申し込み時にどうすべきか聞いておきましょう)

  • 教習資格認定書(提示)
  • 猟銃用火薬類等譲受許可証
  • 印鑑

 

6 所持許可申請 提出(所轄警察署生活安全課保安係)

  買う銃を決めて所持許可申請を行います.まず銃砲店若しくは譲ってくれる人から譲渡等承諾書を貰います.他に以下の書類を付けていつもの担当官に申請書類 を受理してもらいます.現在のところ散弾銃の所持許可は各所轄の決裁なので,教習資格認定よりも時間がかからずにおりることが多いようです.聞いたことが ある最短は3日.長いと(警察が忙しかったりすると)40日くらいとずいぶん差があります.なお書類については三ヶ月以内だと省略できたりするケースもあ りますが,最初の一挺目は省略しないで全部出したほうが問題が起きずに済みます.例えばいちばんお金のかかる診断書は省略できないケースが多いです.

  • 所持許可申請書(通常は銃砲店で書いてくれます)
  • 譲渡等承諾書(銃砲店で書いてもらうべき書類です)
  • 写真(ライカ判 36x24mm) 2枚
  • 診断書
  • 戸籍抄本
  • 住民票
  • 講習修了証明書(学科)のコピー
  • 経歴書
  • 同居親族書
  • 申請料 9000円(一挺の場合)
  • 猟銃用火薬類等譲受許可証(教習で使用したものを返納)
  • 教習資格認定書(教習で提示したものを返納)
  • 印鑑

 

7 所持許可証 仮受領(所轄警察署生活安全課保安係)

  お待ちかねの所持許可が下りると,担当官から電話があります.いそいそと受け取りに行きましょう.できればこの後のステップも全部この日にアポを取って やってしまうといいでしょう.所持許可証を受け取る際に,銃の保管についての書類,または写真を要求される場合もありますので,この時までにガンロッカーは購入して設置しておきます.

  • 印鑑

 

8 銃砲 受領(銃砲店等)

 所持許可証を提示し,シリアルナンバーなどを確認して銃を受け取ります.

  • 所持許可証

 

9 銃砲 確認(所轄警察署生活安全課保安係)

 所持許可証を受け取って十四日以内に所持許可証と当該銃を提示し,シリアルナンバーや銃身長などを実測確認して,所持許可証に確認印を受けます.これで銃砲自体の所持許可は完成です.

  • 所持許可証
  • 銃(当然ですがガンケースなどに入れて持ち込むこと)

 

10 火薬類譲受許可申請(所轄警察署生活安全課保安係)

  銃があっても,装弾が無ければ撃てません.確認時に火薬の許可申請もしてしまいましょう.銃の許可があるのでだいたい即日交付です.(中には数日待たせる ところもあるらしい)許可装弾数については最大5000発らしいのですが,最初の許可の場合は少なめにしか下りない場合も多いようです.1000発~ 5000発と様々です.ちなみに私の場合は4500でした.ですので書類を自宅で作ってくる場合はその欄を空けておくのがよいかと思います.

  • 猟銃用火薬類等譲受許可申請
  • 上記申請料 2400円
  • 印鑑

 

おわり

 おめでとうございます.ようこそ射撃の世界へ!安全第一で楽しみましょう.

 


【編者追記】

現在ではT氏が許可を得たときとは書類に一部変更点があります.例えば火薬の許可申請には,現在は消費計画書などの添付が求められると思います.また添付する写真のサイズも 30mm x 24mm に変更されています.ただし許可を得るまでのステップは変わっていませんので,興味のある方,参考になさってください.