週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

弾頭硬度を測る

こちらで説明しました通り,弾頭を鉛合金で作る場合は,その硬度が弾頭の出せる弾速と相関があるため,是非計測する必要があります.もちろん合金を作る場合に,割合をきちんと決めていれば測らなくても硬度は大体分かるものの,私の場合はあまり気にしないで作っているので,一応測らないといけません. で,結局ボールベアリング法は痕跡の計測が精度を出そうとすれば面倒なので,鉛筆法にしました.やってみてこの方法は使えないなぁと思っても,削れば鉛筆として使えますから無駄にはなりません.笑

 

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ただ問題が一つあります.それは芯先の形状です.JIS によれば,塗膜硬度を計測するには下図では(a)のようにすることになっています.しかし,この形状を削り出すのは結構面倒くさいです.

 

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だからといって (b) のようにしてしまうと,鉛合金にひっかき傷が付けにくいです.

そこで (c) のような形状にすることにしました.新品であれば芯の端面は平らになっていますから,芯先を尖らせないように(削りすぎないように)鉛筆削りをセットして削っていきます. なお鉛筆の硬度は同じ表記(例えば HB とか)でもブランドによって異なる可能性もあります.前述の JIS に準拠したある治具では三菱鉛筆の UNI が推奨されているようでしたが,この用途では Staedtler の Lumograph が事実上の標準となっています. 鉛筆を表面に45°の角度をもって前方に押しつけながらすすめていくと,金属面に書ける(=鉛筆の方が柔らかい)か,削れて溝が出来る(鉛筆の方が硬い)かのどちらかになります.

 

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ライフルの場合いくら弱装弾でも弾速は 1000-1700fps くらいは出ているでしょう.この場合 BHN は 16-18 程度必要だとされており,鉛筆法だと F に相当します.また 2000fps くらいだすなら BHN は 20-22 程度,鉛筆だと H になります.なお 2500fps だすくらいになると,銅ジャケットを使った方がよいそうです.

今回の三種盛りは概ね BHN は 14 程度で,このままだと柔らかすぎるようです.ただし,ガスチェックをつけるので,大丈夫だとは思うのですが,これを付けた場合の許容弾速については調べてみる必要があります.分かったらまたお知らせします.