週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

リコイルを考える

人間が銃を保持して射撃する以上リコイルというのは常に強敵です.弾丸は無限の速度で銃身内を進行するわけでなく,実際は通過にはミリセカンドオーダーの時間がかかります.するとその間に銃身がわずかに動きます.例えばそれが1mmであったとしても,100m先では10cmの差になってしまうのです.まさに百害あって一利なしといいたいところですが,原理的にリコイルはゼロに出来ません. ところでリコイルの定量化に簡単な指数として Free Recoil Energy (Erecoil [ft-lbs])があります.これは以下のような式で表現できます.
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ここで
Wbullet : 弾頭重量 [lb] Wpowder : 火薬重量 [lb] Wgun : 銃砲重量 [lb] V : 弾速 [fps]
です. この式から言えることは,例えば 150gr 弾頭を 50gr の火薬で飛ばしたとき,その弾速が 1600fps までは火薬によるリコイルの方が大きい,すなわち弾頭の重さだけでなく,リコイルには薬量もかなりのウエイトを占めると言うことです.具体的には先ほどの条件(30-06 あたりだとありそうな設定)で弾速が 2700fps なら弾頭によるリコイルエネルギーと火薬によるそれは 3:1 くらいの割合になります. リコイルを小さくするには弾頭を軽くするのはすぐに分かることですが,薬量を減らすこともかなり効果があることが分かります.よって以前も書いたことがありますが,高圧兆候が出ない範囲で burn rate の速い火薬(薬量も少なくて済む)を使うのがよいということになります.