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【勝手にFAQ】弾頭重量と薬種薬量の関係

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弾頭と火薬の関係

表題の通り読み替えてみることにします.あくまでも初心者向けの一般論ですが,以下のようになります.

(1)同じ薬量の場合は,弾頭重量が重いほど燃速の遅い火薬を使う

(2)同じ薬種の場合は,弾頭重量が重いほど薬量を減らす

無煙火薬は圧力が加わっているときほど早く燃えて,より圧力が上がります.弾頭を重くすると軽いときよりも弾頭の進行が遅れるため,圧力が上がることで加速度的に燃焼が進み,さらに腔圧があがることになります.銃には安全に射出するのに許容される銃腔内の圧力が決まっていますから,それに達しないようにするためには,燃速の遅い火薬を使う必要が出てきます.

一方,薬種を変えない場合は,圧力をある程度に抑えるためには薬量を少なくしなければなりません.

上記のいずれの場合も,重い弾頭を使うと弾速は遅くなります.

そこで弾頭重量を上げつつ,弾速もあげたい場合はどうするかというと,燃速の遅い火薬を多く使うわけです.ただし弾頭の加速度は抑えられるため,最終的な弾速をあげるためには,銃身長を伸ばす必要が出てきます.

まとめますと,大きな弾頭をそれなりの弾速で撃ち出したければ,遅い火薬をたくさん使って,銃身も長いものを使うことが必要になる,というわけです.逆に軽い弾頭だと,遅い火薬では燃え残りが出てしまうので速い火薬を使うほうがよく,その場合は銃身もそれほど長くなくてよい,ということになります.

どのようなキャリバーでどのような弾頭の時に,どのような燃速の火薬を使えばよいかは,市販されている Reloading Manual や,火薬メーカーが提供しているオンラインロードデータをみて,掲載されているものが適用範囲にある(逆に言うと,載っていないものは適切ではない可能性がある)ということが言えます.

なお多くのデータは鉛コアのジャケット弾頭に対するものですが,銅弾の場合は同じ弾頭重量でも鉛コアに比べて長く,また硬いので,銃腔内側との摩擦抵抗が大きくなります.そうすると等価的に鉛コアより重いことになるので,薬種,薬量も若干変わります.もっと細かい話をすればプロファイル(ogive などの弾頭形状)も効いてくるはずですが,これらもひっくるめて load data が作成されていますから,自分のデータを作るときにはこれらも参考にして試射をします.面倒くさいようですがそれが楽しいのです.笑