週末猟師

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銅弾による集弾率劣化を考える

ときどき銅弾はまとまりが良くないと聞きます.これは単に銅弾は高価なので,集弾がよくなる条件を見つけるほどは撃ち込めないので最適化されていない,という可能性も否定できませんが,もしかしたらツイスト不足なのかも知れません.

以前エントリしましたが,グリーンヒルの公式というのがありまして,これによって最適なツイストレートの条件を見つけることが出来ます.

具体例を挙げると Barnes の銅弾は 180gr ので弾頭長が 1.475” とあります.他のメーカーでも無垢の銅で出来ている弾頭はほぼ SG =8.8 と考えられますが,合金の場合は軽くなります.空洞やチップもあるので仮に SG =8.5 としましょう.すると,2800fps 未満の弾速においてはツイストレートは 8.5” となります.

例えば 30-06 や 308Win で市販されているライフルの多くは 1:10” あたりだと思いますので,ツイストが遅すぎるのです.弾頭の回転不足は安定性を低下させますので,これが集弾率の低下につながっているのではないかというのが,現時点での当該問題に対する見解です. ツイストレートは弾速が上がると低くても(遅くても)安定性は保たれます.この式からだと 2800fps を超える場合では 10.2” となります.これは 1:10” でよいことになります.

ところが 308Win においては Max Load でも 2700fps までしか上げられないと思われます.30-06 であればなんとか 2800fps にのせられるレシピはありますので 180gr の銅弾を使う場合は,308Win より 30-06 のほうが集弾率は高く出来る可能性はあるようです.当然あくまでもツイストが原因の場合ですが.

逆に弾速が遅くても安定するには弾頭が短ければよいので,上記の条件から考えると L =1.26” となります.Barnes のカタログを見ると 150gr が 1.3” なので,概ねこれより小さい弾頭であれば問題なさそうです.

銅弾はまとまりが悪いと感じておられる方の参考になればと思います.ただ実は自分は銅弾どころか鉛でもまとまってないので,これで改善されたと言える立場にないのです.あくまでも机上のなんとかなので,試された結果を教えて戴けるとうれしいです.