mod case をコスト面から考える
mod case というのは下のようなもので,ケースにゲージを取り付けるためのねじ穴がもうけられている治具です.
さて前エントリで作れると書きましたが,それに関連してヒロシさんから作るのは大変だとコメントいただきました.以前ヘッドに穴を開けたことがあるのですが,確かに簡単というわけではなかったです.ただここでは難易度は置いておき,コスト面から考えてみましょう.
まず mod case 自体ですが,これはもちろん種類によって異なります.仮にここでは 308Win だとしましょう.すると,Brownells だと $5.49 (約582円)となります.(USDJPY 106として)
次いで自作するときのことを考えます.まず 7.5mm くらいの下穴をあけます.真鍮は粘るので小さいのから少しずつ大きくした方がよいと思いますので,7.5mm までが含まれるセットを用意します.自作しようと思う人は持ってると思いますが,本数の少ないセットだと上が 7.5mm までない場合もあるので,その場合は適宜買い足すことになるでしょう.仮にここでは 7.5mm だけ買うとします.
これまたピンキリですが,ここではイシハシのウルトラ武蔵ドリルをおごってみましょう. 999 円とします.
で,ここにタップを立てます.5/16" 自体は結構どのシリーズでもありますが,32 tpi というところが選択肢を狭めます.でも一応あります.たとえば OSG のハンドタップ.
これに UNEF 5/16-32 があります.1790 円です.
【1/14/2020 追記】Hornady の mod case の呼びに関してですが 5/16-32 は間違いで,正しくは 5/16-36 でした.現時点では国内ではこのサイズは発見出来ていません.あれば似たような値段かも知れませんが,ないので仮定の話となります.失礼しました.
あとはケース自身の値段もありますね.30-06 とかだとちょっと高いですが,308Win は安めで Lapua だとこの間買ったときの値段では一個 108 円でした..
というわけで,損益分岐(笑)を考えますと
(1)ビットもタップも買う場合:6個以上なら作った方が安い
(2)タップだけ買う場合:4個以上なら作った方が安い
(3)両方持ってる場合:作った方が安い
ということになりました.うちはビットはすでに持ってたので,上だと(2)に該当します.うちでは3種類のキャリバーを扱いますが,計算上は4種類以上でないと自作はペイしないので,結果的には mod case を買って正解だったということになりますね.まあ実際はそんな計算はしておらず,面倒だっただけなのですが.笑 異なるキャリバーのライフルを4丁も5丁も持っててハンドロードする人なら作った方がいいですが,日本ではそんなに多くなさそう.
ただこの測定自体は,弾頭ごとに一回やればすむ話なので,ツールは仲間でシェアしてもいいわけです.その場合はいろんなキャリバーがあり得るので,自作するほうがいいかもしれませんよね.それにそれぞれのチャンバーにあったケースを使いたいという場合もあるでしょうし.
なお余談ですが,このツールはケースのネックを弾頭がスライドするようにして使うものなので,新品の薬莢をそのまま使うということはできません.弾頭がネックを通らないからです.ですから,基本的には一度発砲してから加工します.よっていろんな銃で使えるようにするためには,ボディは新品(径が小さい)でネックは使用後(チャンバーに収まる程度に径が大きい)という状態にする必要があります.まあボディダイを使えばいいのかもしれませんが,そのために買うのもどうかなぁという感じですよね.笑