週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

リローディングデスクツアー

今週のお題「デスクまわり」

ということなので,リローディングデスクの紹介をしたいと思います.この業界ではリローディングデスクよりリローディングベンチと言うことの方が多いですが,細長い作業台を使う人が多いからかなと思います.うちは狭くて,アメリカみたいにベンチと言えるほどは幅広には出来ず,1200mm 巾に収めています.だからいつもはベンチと言っているけど,実情はデスクの方がピッタリ来るかも?

 

では早速紹介しましょう.

 

 

メイプル天板のデスク右手前にはプレスが並んで固定してあります.

 

 

右の緑色のがライフル弾を組み立てるためのシングルステージプレスで,もっとも使用頻度が高い道具です.左の黒いのはサイザーという道具で,ライフル弾頭を鋳造で自作した場合に,この直径を規定値に揃えると共に,lube といって鉛で出来た弾頭がライフル銃腔にこびりつかないようにする潤滑ワックスを圧入するものです.ただ最近はジャケット弾をバルク買いしたために在庫がたくさんあるので,鋳造弾を使うことが少なくなりました.サイザーは鋳造弾を使うときにしか使わないので,このサイザーはベンチからすぐ外せるようにしてあります.プレスを使うときには外した方が作業しやすいからです.奥の方に下だけ赤く見えて,上に迷彩のカバーが掛かっているのは散弾用プレスです.実際はこんな形をしています.

 

f:id:weekendhunter:20220331023908j:plain

 

デスクの左奥には case prep center とオートディスペンサがあります.

 

 

左の緑のが case prep center です.これは後ほど説明しますが,薬莢をトリミングしたときに発生するバリをとるための道具です.電動でツールが回転して削ることが出来ます.手動の道具もありますが,電動の方が圧倒的に楽ちんです.右の銀色のはオートディスペンサで,薬莢に装填する火薬を指定量だけ自動的にだす機器です.0.1gr(6.5mg)程度の精度があります.

 

デスクの上は多段の棚になっていて,すぐの棚にはダイやケースゲージなどが置いてあります.

 


右の赤い箱にはダイが入っていて,キャリバーによって専用品を使います.その左の円錐はファンネル,要するに漏斗で.一つのように見えますが,口径別に持っていて大きさが違うので三つ重ねてあります.火薬を注ぎ入れたりするときに使い,静電気を帯びないように金属製です.真ん中あたりの奥の黒いのは使用済み雷管を外すためのディキャッピングダイや,尖頭弾頭の先の形状を整えるダイ,そして左端の筒状のは弾の大きさが規定値に合っているかをみるためのケースゲージ,その奥の積まれた箱は鋳造弾を作るときに溶けた鉛を流し込む鋳型が入っています.

 

もっと上の棚には例えばキャリバ別に空薬莢を分けてあったり...

 


棚の下にはパウダーメジャーを吊ってあったりします.

 


パウダーメジャーは一定量の火薬を多数の薬莢に装填するときに使う道具で,既に説明したオートディスペンサと働きは同じです.ただメジャーの方は体積で量り取る仕組みなので,粒の大きい火薬を量るときは誤差が大きくなります.そのかわりレバーを1回上下するだけで1個分の火薬が取り出せるので作業が早いです.ディスペンサは電動で火薬を少量ずつ繰り出すために作業時間がかかります.その代わりに精度が高いし,薬量を少しずつ変化させたいときなどに便利という差があります.ちなみにパウダーメジャーは普通デスクから上に立ち上げて設置することが多くて,上の写真のようにスタンドを上下逆さまにして吊ってあるのは珍しいかも知れません.こういう付け方も出来ますよってことで写真を貼ってみました.

 

あとはトリマもあります.

 


手前はインチノギス(もちろんミツトヨ),稠度別に滴下用潤滑剤3つ,黒いボトルはネックサイズ用ドライルーブで,奥にある金色のがトリマです.薬莢は使用回数が多くなるとネックが伸びてきます.あまり伸びると巻き爪のように弾頭に食い込んでしまうので,規定値まで削って短くします.これをトリミングと言い,それに使うのがこのトリマです.しかしブッシングダイを使うようになってから,ネックが伸びにくくなったみたいで,使用頻度がかなり減りました.結局発砲で伸びるよりも,サイジングボタンの通過のときに引っ張られて伸びるほうが多いのだろうと思います.おっと,デスク周り紹介には関係ない話でしたね.でも最後にダメ出しのおまけを.棚にはローディングブロックは50個用のが三つあります.

 


一回に百個作ることが多いのですが,このときブロックは2個あれば良いかというとそうではなくて,バッチローディングというのですが,一つのプロセスを全量に対して行ってから次のプロセスに進むやり方の場合は,処理した薬莢を別のブロックに移していった方が間違いがありません.ですから三つあると便利なのです.

 

というわけで,うちのリローディングデスクまわりの紹介でした.リローディングには他にもいろんな道具を使いますけども,今回のお題とは離れてしまうので,主だったところだけご紹介してみました.

 


 

#追記#

本エントリを週刊はてなブログ(id:hatenablog)で採り上げていただきました.

blog.hatenablog.com