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【勝手にFAQ】ライフルの命中精度を考える

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243winと270winの命中精度の差

最初に言っておきますね.私は命中精度について語る資格は本来ないかも知れません.というのも,もちろん10点に当たればそれはそれで嬉しいですが,ど真ん中じゃなくても紙に当たれば十分楽しいからです.ああすると,こうなるのか~なんて感じの射撃ですから,ミリ単位の命中精度が自分の射撃の最重要課題なわけではないのです.自家鋳造なんて脇道にはまってるのはその証拠ですね.なので単に「考えてみた」ってだけですので,そこんとこよろしく!(港のヨーコ・ヨコハマ ・ヨコスカ風で.笑)

まずその比較はそもそもの口径が違うので,問題を分けて考えてみましょうか.243Win は 308Win の,270Win は 30-06 のネックダウンです.ネックダウンというのは薬莢のネック以外の部分のサイズは同じで,口径だけを小さくしたものです.よって,口径が同じ 308Win と 30-06 の比較をまずしてみましょう.

308Win と 30-06 はどちらも .308" で弾頭径は同じですが,カートリッジのボディ部の設計が違います.308Win の方が小さいのですが,多少ずんぐりむっくりしている印象があると思います.ボディは球に形状が近い方が燃焼効率がいいらしいのです.ベンチレスト用の 6mm BR (stands for Bench Rest) なんてダルマさんみたいですよね.

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6mm BR / 6mm Dasher / .308Win の比較(wikiより)

燃焼効率というのは同じ量の推進薬でどれだけ速く飛ばせると言うことです.逆に言えば同じ弾頭を同じ弾速で飛ばすとき,必要になる火薬量が少ないのは効率の高い 308Win の方だと言うことです.

これがどんな違いを生み出すかというと,こちらにも書きましたように,同じ弾頭弾速,同じ銃の重さだったら薬量が少なくなる 308Win の方が 30-06 よりリコイルが小さくなるのです.リコイルは命中精度にも関係してきますから,一般には 30-06 より 308Win の方が命中精度が高くなる傾向があると思います.

次に 270Win と 30-06 を比べてみましょう.これらは薬莢はほとんど同じです.すなわちここから出るエネルギーもほとんど同じと考えて良いです.しかし口径が違うのでそれぞれ 120-130gr,150-180gr くらいの弾頭を使うでしょう.そうすると 30-06 の方がリコイルは大きくなり,また弾速は遅くなります.また同じ弾頭重量でも弾頭形状が違うために弾道は同じではなく 30-06 の方がドロップが若干大きくなります.よって 270Win と 30-06 を比べた場合の命中精度は一般論として 270Win の方が高くなる傾向があると考えられます.

結局,口径が同じで薬莢が違う場合は,薬莢がずんぐりしている方が精度が高くなる傾向があり,薬莢が同じで口径が違う場合は,口径が小さい方が精度が高くなる傾向があります.よって最初の質問に戻れば 243Win と 270Win を比べた場合は,243Win の方が精度が高い傾向があるというのが私の推測です.

ある程度の距離までの無風の紙撃ちなら,上のような考え方も出来ますが,実際に使用する場合は他の要素で別のキャリバーを選択することも多々あります.例えば上の考察で 308Win と 30-06 を比べましたが,遠距離射撃のために弾速を上げようとしたり,重い弾頭を飛ばそうと思えば,30-06 の薬莢の方が大きいので有利なのです.結局目的にあわせて,それぞれのキャリバーの得失のトレードオフを考えることになります.精度だけでは決められない要素がたくさんあり,だから世の中にはいろんなキャリバーがあるわけですね.