私はネック厚はほぼ気にしないでリロードしています.もちろんこれに気を遣うと集弾によい影響を与えるであろうことは推測できますが,もともとそんなに腕がよくないので,それにカバーされてしまう差しかないだろうと思っているからです.苦笑
さて,
ABC本を見ていたら標記のような内容の記事がありました.これによると
定量的な評価がなされています.もちろん状況によっても異なるでしょうが,一例としては面白いと思いましたので,エントリしたいと思います.
精度に影響を与える要素はいくつもありますが,薬莢に関して言えば,ネック厚のばらつきがもっとも大きいそうです.実際に測定してみると,中にはネックの両方で 0.008" (0.2mm) も差があるケースもあるとのこと.厚みが均一でないと,弾頭と薬莢の中心軸がずれてしまいます.短い,もしくは ogive の曲率が大きい弾頭だと,スリコギ状の運動が付加される可能性があります.当然集弾は劣化するでしょう.具体的にどのくらいの長さに対してとかは記載されていませんが,結果としては以下の表が提示されていました.
最大偏差 | MOA | 用途 |
0.00025" | 0.25-0.5 | ベンチレスト競技 |
0.0005" | 0.5-0.625 | ベンチレスト |
0.0015" | 0.75-1.0 | バーミントライフル |
0.0025" | 1.0-1.5 | バーミントライフル |
0.008" | 2.0-4.0 | 狩猟用ライフル |
狩猟用のレベルは市販の工場装弾で許容される程度とのことです.この表からはもし sub-MOA の精度を出したければ,ネック厚のばらつきも 0.0015" (38μm) 以下に抑えないといけないと読めます.
うちでは全然管理してないからどうなっていることやら.今度調べてみたいとは思いますが....
ちなみに 1MOA の精度があれば,100m 先で直径 2.9cm の円内に着弾することになります(一般的に言われるざっくりした定義だと100ヤードで1インチ).sub MOA というのはこれ以内の精度があるという意味です.銃本体がもつ精度として現代のボルト式ライフルはだいたいみんなそのくらいはありそうです.
よって,仮にネック厚の所為で 4MOA とかになってしまうとすれば,銃の性能を引き出し切れていないということになります.まあ私の場合はまずは腕の問題が大きいので,そこまで注意しても意味がないですが,ベンチで実験するときにはやはり数 MOA も薬莢由来の精度劣化があるとすれば気になってしまいますね.