週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

山と獣と肉と皮

図書館シリーズです.
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長崎に引っ越した写真家の女性が,地元のハンターに出会って,肉をもらったり,猟を見せてもらったりして,考えたことが思いつくままに書かれています.あくまでも傍観者の視点なので,こう思った,こう感じたって話.せっかくなら狩猟免許を取って,仲間に入れてもらったら,よりいろんなことが分かるようになると思うんだけど,そうはしてないので,あくまで第三者的な視点しかないのが残念です. 猟をあまりご存じないであろうということはいくつもの記述から分かります.例えばワナ猟のおじさんがあるとき,猪の逆襲により重傷を負ってしまったため,その後,銃の許可を取って,場合によっては銃で止めることにしたという話があります.そこでそのおじさんはライフルを持ったと書いてありますが,これは散弾銃の間違いですね.実際に本の中におじさんの後ろ姿の写真がありましたが,持っていたのは散弾銃でした.まあこれは本質的な話ではないのでおいておきましょうか. でもこれはどうかな.犬というのは鳴くものだと思っていたけど,猟犬が鳴かないのに驚いたという話があります.それはいつも鳴いていると緊急事態かそうでないかが区別できないので,普段は鳴かずに,猪の足を止めたり,緊急時だけ鳴くのだと筆者は考えているようです.犬ってそんな難しいこと考えているはずないですよね.獲物が遠くにいるのに鳴いたら逃げられるだけですから,捕捉するまでは鳴かないのではないでしょうか.人間だって獲物を探すときにはそーっと歩きますよ.ガサガサ音を立てて歩いていては逃げられるだけですから. 結論としては,狩猟をやってる人が読んだら隔靴掻痒な印象を持つと思います.なお写真家さんなので,写真がたくさんあったらよかったのですけど,あまり多くはなかったです.切り口も少し幡野さんを思い出す一面があります.ネガティブなことばかり書いたような気もしますが,狩猟の話はさておき,実際は料理とか,母親の立場からの考え方は,私には分からないので勉強になりました.というわけで,狩猟についての何らかの知識が得られる本とは言えないけども,山の方に引っ越したある一家の話,という意味ではアリだと思います.