週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

リロードはコストの為ならず

ライフル弾のリロードは,私は単に面白いからやってるわけですけど,この手の本を読むと,リロードをする理由の最初にコストのためというのが来ているパターンは多いです.アメリカの本なので,日本では果たしてどうなのか,実際に現在の国内価格(私が関東で買った値段)で試算してみましょう.

 

計算するにあたり,道具のコストはとりあえず考えません.火薬は高価なため,レシピによってだいぶ差が出てきます.が,ここでは仮に 308Win あたりのレギュラーロードで考えてみましょうか.薬莢は程度の良いものを拾ってくるとして,これまた計上しないことにしてみます.すると

 

(1)雷管:百個入りで 2,000 円なので,一個あたり 20 円
(2)火薬:一瓶 15,000 円で,仮に 40 gr だとすれば,1発あたり 86 円
(3)弾頭:これもピンキリですけどだいたい1個 50 円

 

あわせると 156 円になります.(弱装弾にするともちろん火薬代はこれより安い)

 

ここで市販されているライフル実包をみると(例えばこちら)20発入り一箱で一万円くらいするので,一発 500 円と考えれば,確かに自分でリロードすることでかなり安く抑えられます.しかし実包でも安いのがあるのです.例えばこちら.

 

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Fiocchi の標的射撃用で,20発入りで 4,410 円なんですよ.ということは,単価 221 円です.ハンドロードとの差額は 65 円となり,試算根拠にしていた 500 円のパターンと比べると,差額は 1/5 以下に圧縮されます.

 

リロード用品も揃えればそこそこするので,これくらいの差額だと,相当撃たないと回収できないですよね.ですから,リロードはコストの為と言うのは説得力が弱くて,単に自分の楽しみのためにやってるというほうが大きいのではないでしょうか.もちろんマジなシュータだと精度を高めるというのを,ハンドロードする第一の理由にあげる人は多いでしょうけど,それは自分でいろいろ調整できるためです.結局そこそこの精度でいいなら市販品で十分なわけで,その中でも多少撃つ層はこのような安い弾で練習するのがいいってことになるのでしょうね.ただ安い弾は弾頭がフルメタルジャケットだったりするので,狩猟用には向きません.では狩猟用にはどうすれば良いかというと,弾頭を同じ重さのホローポイントなり,ソフトポイントなりに載せ替えるという方法があると思います.ただクリンプがどんな風に掛かっているかで工程が変わるのと,私自身はやったことがないので,ここでは触れません.