週末猟師

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和銃の歴史

図書館シリーズ,続きましてはこちら.

 

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和銃の歴史 霜禮次郎著

 

日本における明治あたりまでの銃器の歴史が主題です.ただし歴史書と呼ぶには参考文献が少ないし(周知なことを「〜と思うがどうであろうか」とか),感想というか,筆者の想像による記述が多いです.また論調も straightforward ではなく,主題にそぐわない寄り道があったり,同じ話が何度も出てきて読みにくかったです.和鉄と洋鉄の違いも明らかにしてないし.なんでだ?って思ったら,なんと文芸社刊ではないですか.やっぱり自費出版か,って思ったけど,図書館に入ってるくらいだから成功してますよね.

 

筆者はオリンピックにも関わるくらいの方で,さすが面白いと思ったのは,代表選手になるなら「貨車いっぱい撃て」というところですね.貨車一台分というのは,ざっと50万発だそうです.高々ウン万発しか撃ってない私にはとてもではないけども無理な話なのでした.

 

ちなみに,明らかに「そりゃ違うべさ」って思ったのは,オリンピックで強いのがヨーロッパ勢なのは,鉄砲がヨーロッパ発祥だからとの論調です.強い選手を輩出したければ,射撃人口を増やすことがスタート地点ですが,日本の射撃人口が少ないのは単純に法規制の問題でしょう.鉄砲が南蛮由来だから南蛮が強いというのは的外れじゃないかなぁ?あとはマタギの説明では,撃つのはシカリの役目だと説明されているのも変だなと.もちろんシカリが撃つこともあるかも知れないけど,一般的にはブッパじゃないのかな.

 

まあそんな感じで「え?」という記述もあったりしますが,主題についてはせっかく古式銃のいろんなタイプを紹介しているのだから,もっと図面を多くして,どんな工夫があってそうなったのかとか分かりやすくなっていれば良いのにと思いました.そうすれば,前装銃愛好家への入り口になったかも知れません.