週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

弾職人ですから

今週のお題「手づくり」ということで,世の中はバレンタインデーだし,そっちネタでいくと思いきや,ここで手作りするのはもちろん「弾」です.

 


弾も普通は銃砲店で売られていますから,自分の銃の口径がよほど特殊で工場装弾が売られていないなんてことがない限りは,実際は手作りする必要はあまりないです.ではなぜ手作りするのかというと,まずは費用面での利点があります.308Win(7.62x51mm NATO)のように大量に生産されているものは別としても,それ以外だと一発 500 円くらいするところが,自分で組めば 150 円程度で済んだりするわけです.

 

弾を手作りすることを「ハンドロード」,もしくは使用済みの薬莢を再利用することから「リローディング」と言ったりします.この作業は大体以下のような工程があります.(清掃,計測,潤滑などの細かい工程は省略)

 

(1)使用済みの雷管を除去し,発砲によって膨らんだ薬莢を元のサイズに戻すサイジング
(2)新しい雷管を取り付けるプライミング
(3)火薬を規定量計って投入するチャージング
(4)弾頭を取り付けるシーティング

 

それぞれに専用の道具があって,それらを揃えるだけでも結構なお値段しちゃいますので,年間に十発しか撃たないとかいう人だと,いくら工場装弾より手作りのほうが安いと言ってもペイすることはありません.しかし工場装弾と違って火薬を少なめにしてマイルドな弾を作ろうだとか,各種誤差を極限まで少なくして命中精度の高い弾を作るなどの目的がある場合は,自分で作るしかありません.

 

結局主な動機がコストだとしても,ライフル所持者の多くは自分で弾を作っているかと思います(狩猟しかやらない=弾をほとんど消費しない人だと手作りしない人もそこそこいる).なお散弾銃の場合,クレー射撃用散弾は部材だけで市販装弾の数倍のコストが掛かってしまうので,手作りすることはほぼありません.狩猟用の重装弾や一発玉(スラグ)は高価なので,私も含めて作る人はいます.

 

ちなみに普通の人は,射撃をするために弾を作ります.が,私の場合は目的と手段が逆転しており,弾を作ること自体が楽しいので,作るために撃つという感じですね.作るだけで撃たなくてもいいじゃないかと思うかも知れませんけど,自宅に保管しておける弾数は法律で制限されており,また作った弾を他人にあげたりすることも出来ないので,作りたければ撃つしかないのでした.

 

最後に余談ですけども,弾を作る工作机をリローディングベンチといいます.どんな感じのところで手作りしてるのかな?って思う方もいらっしゃると思うのでうちの例をご紹介↓.

 

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