週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

覆薬難収

今週のお題「こぼしたもの」ということですけど,このブログのテーマであるリローディング(弾造り)に関して「こぼす」と言えば,もう「火薬」しか思いつかないですね.笑

 

 

幸いにして無煙火薬は全くの粉というわけではなくて,種類にはよりますが,顆粒くらいなサイズ感なので,こぼしても,ヒーヒーいいつつもなんとか拾い集めることが出来ます.

 

ただし湿ってしまうと困るので,万一こぼれてしまったとしても作業を行うリローディングベンチの上に落ちるようにして,作業前にはそのベンチ(テーブル)もキレイにしておく必要があります.整理整頓が大事ってことですね.

 

実は無煙火薬自体はこぼれてしまったものを放って置いてもそれほど危険ではありません.可燃物ではありますが,開放大気中では着火させても紙くず程度の燃え加減でしかありませんので.ドカンといくのは,高圧に耐えられる小さな容器中(銃の薬室に弾を込めた状態)で着火させたときだけです.爆発するのはあくまでも雷管という小さな部品で,それも銃の撃針にその中央部(内部にアンビルという尖った部分がある)を強く打撃されたときです.しかし変形するくらいの衝撃を急に与えれば起爆する可能性は皆無というわけではないわけですから,落としたままにしておけないのは雷管ですね.ただこれはそこまで小さい部品ではないので,「こぼす」という感じではなく,落としたところですぐ拾えるし.

 

 

さて本題に戻ります.こぼした火薬は「要らないや」と,そのままゴミ箱に捨てられるかというとそうではありません.危ないというわけではなくて,火薬は法的に適正に管理することを要求されており,グラム単位で入出庫しているのです.出庫については何グラムを実際に発砲して使ったのか,あるいは処理業者に委託して処分したのか,ということを記録し,その証憑を保管しておかないといけないということです.ですから,こぼしてどこにいったか分からないと言うことは適正な消費にはなりません.管理状況は定期的に公安当局に徴集されており,このときに不備があるといろいろと問題になります.

 

ということで,火薬をこぼしたら盆に返さないといけない,というお話でした.Don't cry over spilt powder. Just gather it!