週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

basic reloading 2023, step 1 : priming / 雷管装着

case prep の済んだ薬莢は弾職人に再会する瞬間をケースの中で待っています.そんな昨今ですが,猟期前の射撃練習シーズンに突入し,ようやく出番がやって参りました.今回は特に精密射撃用途とかいうわけではなく,普通に練習で使うような弾を作る基本的なプロセスを紹介します.まず必要なものをリローディングベンチに準備します.

 


上段左の赤いケースからリローディングダイボックス,case prep 済みの薬莢,スケール,雷管,推進薬(火薬),手前左からプライミングツール,リローディングブロックです.

 

リローディング作業はまずプライミング(雷管装着)からスタートします.今回は50発作ることにしましたので,ケースのシースをその数の分だけずらします.

 

 

左の緑のはプライマートレーです.これを裏返して雷管の上にのせまして,のせたままで上下をひっくり返します.

 


するとこんな感じに雷管がトレーに乗ります.

 


この状態で雷管のアンビルが上を向きまして,これが正しい向きです.逆になってしまった雷管があれば,トレーを揺することでトレーの僅かな溝に引っかかってアンビルが上になる仕組みになっていますが,このように雷管を出せばその作業が要りません.真ん中の穴がトレーのフタのロックになっているので,真ん中辺りの雷管にどいてもらいます.

 


で,フタをぱちんと.

 


透明なのでアンビルが上になっていることが見えますが,フタの扱いが雑だと,はめた衝撃でひっくり返ることがあるので注意します.全てがこの向きになっていることを確認します.このトレーをプライミングツールにセットします.

 


矢印のつまみを上にして傾けるとトレーからツールに雷管が滑り降りてきます.

 


ツールの中に雷管が正しくおりていることを確認します.もちろんアンビルが上になっている必要があります.

 


確認したら薬莢をツールのシェルホルダにセットします.

 


で,ぐいっとツールを握りこめば雷管が押し込まれます.もし右利きならこんな感じに使うことになるでしょう.こっちのほうが多数派かな.

 


ただ私はこのような作業をするときは左なので....いずれにしてもこのように雷管が装着されます.

 


このとき雷管が薬莢の底面から僅かに下がった位置まで押し込まれているのが正しいプライミングです.

 


気になる人はストレートエッジで確認すれば良いけど,見ただけでいいですね.このときツライチまでは大丈夫ですが,少なくとも出っ張ることはないようにします.このツールだとおかしなことにはならないですが,使うツールによっては出っ張った状態でとまることがあります(Lee の Bench Prime などは注意,操作が軽くていいのですけどね.).その場合はプライミングツールの設定を見直すとか,再度押し込むなどの必要があります.

 

ちなみにこの作業で注意することの一つは,薬莢をツールに載せる直前に,雷管のアンビルがちゃんと上を向いているかを確認することです.たまに下のように横転してしまうことがあるからです.

 


こんな風になっていたら絶対に装着操作をしてはいけません.一度トレーを外してから,トントン叩いてみたり,雷管をトレーを装着していた部分から取り出し,再度正しい位置に正しい方向で入れ直します.気付かずに入れてしまうと,まあないとは思いますけど操作で起爆するかも知れないし,少なくとも手に余る不発弾になるのは間違いないです.

 


あともう一つの注意は,薬莢のマウスが自分の方を向いた状態でツールを握りこまないことです.

 


リローディング作業の中で雷管装着がほぼ唯一の危険性のあるステップです*1.私は経験したことはありませんが,薬莢のマウスが自分を向いているときに,万一にも雷管が起爆したら,ガスや塵芥が自分に飛んでくることになります.なので,念には念を入れて,かつ握りこむときはマウスを明後日の方向にむけることです.あ,作業中はゴーグルを装着しておくってのも大事ですね.

 

ともあれ作業を続けまして,プライミングの終わった薬莢をリローディングブロックにならべていきます.

 


これを繰り返し,50個のプライミング完了です.

 


では次のステップ,推進薬(火薬)の装填です.

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*1:雷管は爆発物ですが,推進薬(火薬)は違います.圧力のかかっていない状態だと火薬は火を付けても良く燃える紙くずくらいの危険性しかありません.