Lee Loader を壊しそうになった話↓の続きです．
このセットに入っているロッドはディキャップ用
と，プライミング用
です．で，このディキャップ用がただディキャップをしているだけではなくて，内径を広げる役目もしていたことに気付かず，ダイの中の薬莢に打ち込んでしまったためにひどいことになってしまったというお話だったわけです．
実際に直径を測ってみたら，プライミングロッドが 0.2950" だったのに対し，ディキャッパは 0.3065" もありました．
一般的なサイジングダイの場合，ハンドルを操作すると最初に薬莢のネック径をダイで圧縮してから，ステムに付いたボタンで規定値まで拡張する手順になっています．これに対し Loader の場合は，ディキャッパで拡張してから，ダイで圧縮するという逆の手順になっています．ディキャッパでの拡張は，ネックの歪みをとって真円にするためではないかと想像します．発砲すればネックは弾頭径より必ず大きくなるので，最初に拡張する意味って今考えてもそのくらい思い浮かばないのですよね．ここがダイにディキャッパを突っ込んでしまった私の先入観の根拠だったわけです．しかし，こんなこと一つとっても Lee の考えが垣間見られて面白いなぁと思いました．
ただ残念なことにこの製品は材質強度があまりなくて，ロッドを工具で把持したときにキズが付いてしまいました．まあ作業に関係ない部分なのですが，部品単位で買うことも出来るので，機会があったら交換しようと思います．
Lee ってよく考えられていて秀逸なのに安い製品が多いメーカーです．米国製でこの価格に抑えられるというのは，工数や，使っている材料を必要十分なレベルに抑えているからと考えられます．もちろん正しく使えばそこそこもつようにはなっているので，分かって使う分にはいいのですが，私みたいな粗忽者だと過剰品質くらいがちょうど良いようです．苦笑
おっと，今日は大晦日ですね．ではみなさん，来年もよろしくお願いします．
