Lyman の今年度版カタログがダウンロードできるようになりましたね.
そこで最初に採り上げられていた製品がこちら.
Digi-Touch 1500 Reloading Scale
まあ正直良くあるタイプ秤量 1500gr の電子秤です.実際,Lyman のラインナップに Micro-Touch 1500 という同じ秤量の製品が既にあります.
違いはどこか?と見てみますと,新しい Digi-Touch は充電式で Micro USB, USB-C, Lightning がつけられるようにプラグが付属.自分のスマホ用の充電器でもつないで使うようにとなっています.これに対し,既存製品 Micro-Touch は付属の AC アダプタを使うか,単4電池を3本入れるかです.価格は新製品が $40 ほどで,従来品は $90 くらいですから,どっちにするかと言われたら,安い方を買ってしまうかも知れませんね.
ただ内部回路的な観点から言いますと,一番いい電源は乾電池です.まず充電池には寿命があります.安い製品には,いわゆる「オカラ電池」*1が使われており,何回か充放電したらもう使えなくなる,なんてものもあります.名著マーフィーの法則にならえば,ここ一番というときに使えなくなるのはお約束.
では AC アダプタがいいか?となりますが,問題はここから発生するノイズです.現在の AC アダプタは通常スイッチング式というノイズが発生しやすい方式を採用しています.小型で安価で省エネだからです.そして電子秤の中では,力学的にかかる重さを電圧に変換するロードセルが発した電圧を AD 変換で読み込み処理をするのですが,この AD 変換部分はノイズに弱いのです.もちろん対策はされているものですが,どの程度の対策かはコスト次第になります.
電子秤ってそんなに電気を消費する部分はないので,乾電池式であってもそんなに頻繁に交換が必要になることはないと思います.使用頻度にもよりますが,経験的には数年はもつんじゃないかなと.だったら,前に述べたような要らぬトラブルを簡単に安く避けられる乾電池を使うのが一番じゃないですかね?というのが,一電気系ガッテン職人,ワタクシの意見です.
もちろん電子機器ですから故障しないとは言えないので,うちのリローディングベンチでは 0.1gr 単位で測れる安い電子秤を2個おいてあります.ビームスケール使えば?という人もいるでしょうけど,スペースファクタ(置き場所)以外にも理由はあるので,その辺の話はまたそのうち.