週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

モールドの選び方

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以前こちらでライフル弾のモールドには二種類あるということを書きました.それはガスチェックを付けるようになっているか,そうでないかという分類です.具体的にどう違うかというと,弾尾の太さが違います.ガスチェックを付けないものは,底が口径と同じ太さになっています.

 

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この赤い矢印の部分ですね.で,ガスチェックを付けるものはガスチェックの厚さだけ細くなっているわけです.

 

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ピストルにはガスチェックのない弾頭を使うことも多いようですが,ライフルの場合はガスチェックを付ける方が普通です.なので,例えば30口径でガスチェック無しというモールドはあまりないと思います.

あとはルーブの種類によっても lube groove (横の溝)の部分が違います.上の絵はいずれも硬質のルーブがつくもので,一般には lubesizer というプレスのような機械で,この溝にルーブを圧入します.lubesizer を使わない場合は平皿に弾頭を並べて溶かしたルーブ(基本的には蜜蝋のような感じのもの)を流し込み,ルーブが冷えて固まったところで弾頭を取り出すという方法もあります.

他に液体のルーブを振りかけて表面に着ける,タンブルルーブというのもあります.このルーブを使う場合は,lube groove が細くて浅いのが多く付いているモールドになります.一例としてはこんな感じ.

 

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これはピストルには多いモールドなのですが,ライフルでは多くはありません(Lee のくらい?).なので,ライフルだとやはり通常のルーブを使うことになるかと思います.

ちなみに大きさが微妙に違うモールドがありますよね.例えば30口径はいわゆる普通のジャケット弾なら 0.308" ですが,キャストの場合はこれだと精度が出ない可能性が高くなるようです.基本的にはその銃にマッチした大きさであればよいのですが,精度が出なければ少し大きめを使うというのがセオリーのようです.従って,.308" なら 0.309" を使うのが第一の選択肢となります. 鋳造したら sizer で直径を合わせるのですが,それに使うダイも直径で決まります.結構いろんなものが必要になってくるので,スラグのようにモールドがあればなんとかなるというものでもないですね.でもそこがまた楽しかったりするんですよね.笑