週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

ニッケルメッキ薬莢をリロードに使わない理由

うちではクレー用装弾以外,すなわちスラグと狩猟用散弾,ライフル装弾はすべて自己調達した薬莢(要するに拾いものではない,という意味)でのハンドロードなので持っていないのですが,射撃場の空薬莢箱でニッケルメッキされた薬莢を見かけます.しかし,ニッケルメッキ薬莢をリロードに使うのは一般的ではないようです.
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ニッケルメッキ薬莢と通常の真鍮薬莢
そもそもニッケルメッキ薬莢の利点とは何かと言いますと,革製の弾差しに長い間入れておくと普通の薬莢だと緑青が出ますよね.それがニッケルメッキだと出ないということらしいです.もちろん長期保管にも有利ですね.あとは見た目の問題でしょうか.銀ピカが格好いい!という人もいますから.私は金ピカの方が好きですが.笑 逆に欠点はというと,これがリロードに向かないと言われる理由なのですが,薬莢自体が脆いようです.これはニッケルメッキ自体の特性なのではなくて,メッキをかける前に薬莢を酸で処理をするからのようです.真鍮は一様に見えますが,顕微鏡的に見れば,結晶の集合がムラになっているところがあり,その境界に酸がしみこんでいるということなんですね.ですから経時的に結晶集合間の結合が腐食によって弱くなっていって,具体的にはネック周辺に割れが生じたりするわけです. ただし,しっかりと検査して使う範囲では問題は起きないでしょう.が,メッキものはダイへの攻撃性もあるし,将来的にも私は使わないと思います.