週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

これから鴨銃を買うなら薬室長 2-3/4" は選ばない

現在は私の鴨場では鉛散弾は禁止されていません.非鉛散弾も完全に無害とは言えないし,微妙なところではありますが,今後は非鉛散弾が広がっていく可能性はあります.例えば米国ではありますが Remington の発売している waterfowl loads (鴨猟用散弾)はすべて(といっても3種類ですが)steel となっています.スチールは当然鉛より軽いので,同じ重さの散弾でも大きなシェルが必要になると考えられます. 12GA に絞って,順にラインナップを見ていきましょう.まずは Hypersonic Steel からです.

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これは 2-3/4" shell はありません.32~36g が 3" で,39g が 3-1/2" shell です.三つの中ではハイエンドのようで,XELERATOR WAD technology なんていう格好良さそうなワッズ(見えないけど.笑)を使っているみたいです.高速弾ですね. 次は Nitro-Steel です.

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これは 32~36g には 2-3/4" shell がありますが,弾速が遅めです.それに鴨弾にしては軽いですね.36~39g は 3" shell,43g が 3-1/2" shell です. 最後は Sportsman Hi-speed Steel です.

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これは 28~32g に 2-3/4" shell が用意されており,32~36g は 3" です.これらの三種類の中では一番廉価なタイプっぽいです. と,これらの製品から推測すると,36g 装弾までは 2-3/4" shell があり得ますが鴨弾としては軽い(個人的な感想)ので,それを超えると 3",43g になると 3-1/2" shell しかありません. 日本では規制がこれからどうなるか分かりませんが,これから銃を買って鴨猟を始めようという場合,選択肢があるならばこれまでの標準であった薬室長 2-3/4" のものではなく,少なくとも 3",欲張るなら 3-1/2" のを選んだ方がよいのではないかと思います. ちなみにうちでは鴨弾はすべてハンドロードですが,2-3/4" shell に 1-1/2oz の鉛散弾を標準にしています.これはレシピ的にめいっぱいな感じです.しかし,今でさえぎりぎりなので今後非鉛を使うことになれば,2-3/4" ではとてもではないですが載りません.幸い今使っている鴨銃は薬室長 3" なので,1-3/8oz まで低減すればいけるかな? なお 3-1/2" の銃は SAAMI の規定によれば maximum average pressure が 14000 psi となっているので,2-3/4" ならびに 3" の 11500 psi に比べて高いため,より長寿命が期待できたり,ハンドロードの際の安全性もより高くなると考えられます.逆に欠点としては,3-1/2" の高圧でも,2-3/4" の低圧でも回転させるために,ガスオートの仕組みに工夫がされているはずで,そういうところが消耗品になっていたり,壊れやすかったりする可能性もなくはないと思います.形ある部品は壊れますが,ない部品は壊れませんので.笑 というわけで,もちろん私見ではありますが,薬室長が 2-3/4" の銃はこれからは鴨用としては厳しくなる可能性もあるので,銃を簡単に買い換えられる人でない限りは,これらのことも念頭に置いて銃を選んだ方がいいのではないかと思います.あ,当然ながらスチール装弾に対応したバレルが必要なのは言うまでもありません.これからはそういうのが普通になっていくのかもしれませんね.