週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

IMR Blue を考える

別に入手できたとかいうわけじゃないのですが,こちらでおきたまじんさんにコメントいただいた新パウダーで気になっているものがあるので,実際に使えそうかを考えてみることにしました.

 

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IMR Blue です.これと同じシリーズでは Green, Red などもでましたが,1-1/2oz まで対応しているのは,このなかでは Blue だけです. 12Ga, 2-3/4" WAA/HS, 1-1/2oz lead shot, Win. 209, WAA12R という条件で引いてみると....

  • IMR Blue 31.0gr 10400PSI, 1150fps
  • Longshot 26.4gr 10100PSI, 1205fps
  • Longshot 28.0gr 11500PSI, 1260fps

というデータが出てきます. Longshot の方が1割ほど少ない薬量で腔圧は抑えられているのに弾速は出ているという結果になりました.burn rate は Longshot のほうが遅いのですが,それだけでは測れないってことかな?試験銃のスペックがよくわからないのでなんともいえませんが....いずれにしても Longshot の燃焼性能はこの位のマグナムにおいては優れているようです.

ただ Longshot にも問題はあって,とても dense なのです.これは同じ重さで嵩が小さい,要するに密度が大きいということです.反対なものは bulky といいます.straight wall の hull の場合は dense な火薬でも wad の座りが低くなるだけで,それに合わせたレシピがくめれば問題ないのですが,WAA/HS のような taper がかかっていたり,collar がはまっている(今のHSが該当) hull だと,wad の挿入できる下限が決まってくるので,薬量の嵩が足りないと空間が残ってしまう,要するに火薬が遊んでしまうわけです. ただし burn rate の遅い火薬ほど一般に dense なので,マグナムに適した火薬を選ぶと自然とそうなってしまうともいえます.散弾の火薬は一般に wad で圧縮された状態にするのがよいとされていますが,WAA/HS に Longshot を使う場合,こちらでも検証したようにだいたい 46gr 以上入れないと wad で圧縮がかけられません.(wad のシール形状によっても異なります)

もうちょっと定量的に考えてみましょう.MEC の Bushing #27 から #43 までの平均をとると Longshot/Blue = 1.092 という重量比になります.すなわち Longshot のほうが同じ体積で1割ほど重いということです.先ほどのレシピを参考にして Longshot 28.0gr を Blue 31.0gr で代替するとしましょう.Blue 31.0gr は Longshot 28.4gr と同じ位の体積になります.前述のように Longshot 46gr 以上で wad で押さえつけられる体積なので,Blue だったら 42gr は必要です.結局 Blue でもこの組み合わせでの解決は難しいという結果になりました.