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【勝手にFAQ】30-30 と 30-06

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ライフル + カートリッジ + 30-06 + 30-30

結構性格の違うカートリッジで,共通点と言えば .308 cal 同士だってことくらいではないでしょうか.まあそれだけに違いはどんなかなぁと思ったのかも知れません.

私は持っていませんが,まず 30-30 からにしましょう.これは 30WCF(Winchester Center Fire) とか,7.62×51R mm とも呼ばれるカートリッジです.1895年に Winchester Model 1894 に使うカートリッジとして発表されました.ちなみにこの銃は Winchester 94 として知られているレバーアクションライフルで,もともと出たときは黒色火薬のカートリッジを使うタイプでしたが,すぐに 30-30 を使うタイプが発表されました.この 30-30 は 30cal で無煙火薬を 30gr 入れて使うという意味から命名されています.

 

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古い銃ですが,現在はミロクによるリプロダクションが行われています.レバーアクションといえばこの銃ですね.30cal の他のカートリッジに比べると薬量も入らず非力な印象がありますが,逆にそれが肉を傷めないと言うことで一部には人気があるようです.

カートリッジ自体はこのような外見です.

 

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左が 30-30,右は 308Win(正確には7.62×51mm NATO)です.弾道で比較すると代表的な例では 30-30 で 150gr 弾頭を使って 2400fps(2.6kJ),308Win だと 2800fps(3.6kJ)となっています.

このカートリッジを現在使っているのはほとんど Model 94 レバーアクションライフルくらいで,このライフルはチューブ弾倉ですから,使用する弾頭はどうしても FN (Flat Nose)や RN (Round Nose)になります.まあ山の中の猪などの狩猟では弾道が草葉に接触する場合がしばしばあり,このようなときに先端の尖っている弾頭は影響を受けやすいため,RN を使う傾向が強いですから,問題にはなりにくいかも知れません.

さて,これに対し 30-06 です.これは正確には .30-06 Springfield という名称で,他の言い方では7.62×63mmです..30cal で米国で制式採用されたのが 1906 年だったというのが名称の由来です.ですから,30-30 とは元々の意味が違います.

 

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.30-06 Springfield

 

このカートリッジは 50 年程制式だったのですが,その後 .308Win(軍用としては 7.62×51mm NATO)や 5.56×45mm NATO にその座を譲ります.しかし,30-06 は未だに民生用としては人気があり大量生産されています.これは 30-06 の高い汎用性にも起因すると思います.308Win との比較については,もちろん私見ではありますが,こちらにエントリがあります.

というわけで,30-06 と 308Win のどちらにするかで悩む人は多いかも知れませんが,30-06 と 30-30 で悩む人はそれほど多くないと思います.というのも実質的には Model 94 を使うなら 30-30,その他のライフルなら 30-06 になるであろうからです.もし 30-06 は強すぎるというのであれば,30-30 と同じ弾道特性になるような弱装弾をハンドロードすればよいと思います.逆に 30-30 の高出力化は難しいので,つぶしが利くのは 30-06 でしょう.ただ趣味の世界って効率とか性能とか関係ないところが大いにありますから,どうなりましょうか.笑