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【勝手にFAQ】ロードデータの読み方

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リローディングマニュアル 読み方
リローディングマニュアルは前半が特集記事や説明になっていて,後半がロードデータになっていることが多いと思いますが,ここでいう読み方というのは,データの見方って意味ですよね?記事の読み方なんか聞くはずないと思うので.まあそんな前提で話を進めます. さて,ここで 308Win で 150gr の弾を作りたい.そして IMR-3031 を持っているということにします.Sierra のマニュアルを例にとりますが,大体どこのマニュアルでも作りは一緒です.まずは 308Win のページを開きます.
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このキャリバーのスペックが書いてあって,あとは来歴などの説明があります.が,まあ必要なデータは上の部分ですね.
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ここで読むべきなのは Trim-to Length が 2.005" であることでしょうか.これは薬莢の長さがこれより 0.01" 以上長くなったときに,ここまで削って戻すという基準の長さです.左の図中に薬莢の長さが 2.015" とありますが,これが最大長であり,これを越えてはいけないという数値です.で,この値に達したら 2.005" まで短くするわけです. あとは図中に最大長が 2.810" とあります.これは規格として .308Win の全長(COALといいます)はこの長さを超えてはならないという数字です.使用する弾頭によって標準的な COAL が決められていますが,いずれもこの最大長は越えるように設定してはなりません.〔ランドタッチを目指して長くする人もいるかも知れませんが,あくまでも自己責任です) あと試験条件がありますが,ここではバレル長 26" で,ツイストが 10" の銃を使ってる,くらいは見て置いた方が良いでしょう. さて,では個別のデータにいきます.ここでは 150gr 弾頭を使うことにしていたので,そのページを開けてみましょう.
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このページではまず使用する弾頭で決まる COAL を見ておきます.
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例えば HPBT を使うなら 2.775" ですね.標準的にはシートするときにこの長さになるようにします.ついで薬量をみます.
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IMR-3031 を使うなら,その欄を見ますと上の 2500-2900 が弾速(fps)で,下がそれに該当する薬量ですね.IMR-3031 の場合は最小薬量が 37.5 gr でそのときの弾速が 2500 fps, 最大(max load)が緑色の太字で 43.8 gr で2900 fps です.薬量はこの最小と最大の間で決めることになります.そして最大を超えてはいけないことになっています. 他社のマニュアルだと腔圧も書かれているものがありますが,これはキャリバー毎に SAAMI が決めた最大腔圧があって,そこからどのくらいのマージンがあるかなどを考えながら薬量を調整する参考になるのですが,Sierra の場合は書いてません. まあ実際は試験データの作成に使用された銃は,自分の銃と違うのが普通ですから,自ずと弾速なども変わってきます.例えば自分が 22" バレルを使っているなら,このデータ(26")に比べて 200 fps くらい低い弾速になったりするでしょう.ですからあくまでもロードデータは目安でしかないのです. また最後に書いてあるこちら.
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Accuracy Load (最も精度が良くなる)や Hunting Load(最もエネルギーが大きくなる=弾速が出る)の組み合わせが書かれていますが,これも実際に自分の銃でそうなるかは分かりません. その下に書いてある INDICATES MAXIMUM LOAD というのは,最大薬量です.本の制作側としては,いろんな組み合わせを考えてみてもこの薬量であれば問題は起きないだろうというところに最大を設定していると思います.しかし,想定外の条件で射撃したときでも腔圧が安全値以内に収まる保証があるわけではないので,あくまでもこの値は注意して使いなさいと言っているわけですね.真の最大薬量は条件によって異なり,ほとんどの場合はロードデータの max load よりは多いでしょうが,それで何かよくなるかは分かりません.まあ基本的にはロードデータの最大値より小さい値で使うのが鉄則ではあるでしょう. なお薬量は少なすぎても問題が起きると言われています.異常高圧が発生すると聞きますが,実際に見たことはありません.ただ問題が起きてからでは遅いので最小値より少なくすることはやめておいた方がよいでしょう.一番下の注意書きは,書かれている最小値よりも少ない薬量は推奨しない,と書いてあります.