週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

解体包丁を考える

グループで一頭獲れた場合は,みんなの分け前がよい状態であるようにというのもありますし,狭いところで向き合って包丁を扱うのも危ないので,自ずと解体は上手な人に任せることになってしまいます.ただし時間がかかる皮むきは使う刃物が尖っておらず,それほど危険でもないので,なるべく手伝うようにしていました. ところが二頭以上獲れた場合は,シーケンシャルに作業していると時間が遅くなってしまうため,サブの解体台で小さい方を解体することになります.上手な人たちはメインの解体場で大きいのを相手にしているので,私のような要練習者は小の担当になります.小さいのは脂も少ないので,ざっくりとむいて構わないため簡単というのもあります. 私が解体場に持ち込んでいる刃物は,猟で帯びたドロップポイントに加えて,皮むき,骨切ノコだけなので,枝肉からバラすくらいまでは大丈夫ですが,肉から骨をとるところとかはやや難しいです.それを見ていたHさんが「包丁買いましょうよ」と一言.まあ道具があればスムースになるかどうかは別としても,さすがにそろそろ買わないといけないかなとは思っていたので考えてみました. 解体であると良さそうなのは,まずは皮むきですが,これは既に持っています.一つは Knives of Alaska の Muskrat(D2鋼,参考価格6千円)
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もう一つは安来で買ってきた守谷宗光の皮剥包丁(青紙二号,参考価格3千円)です.
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どっちも使いやすいと思うのですが,これからどっちかを買うなら,後者の方が入手性も良く値段も安いし,形状的にも研ぎやすいかなと思います.材質的には D2 の方が研ぎやすいですが,Muskrat の形状はきれいに研ぐのが難しいです. もう一つあると良さそうなのは骨スキだと思います.持っていないので,今回これを買うことにしました. 現在うちの包丁は木屋のが多いので,調べてみるとこんなのがあります.
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価格は2万近いです.骨付きの肉を扱うのは猟期だけですし,それ以外のシーズンは仕舞っておくでしょうから,炭素鋼では錆が出るかも知れません. 次いで以前見た本で食肉業者がビクトリノックスを使っているとあったので,これもよさそうです.
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もちろん名前通りステンレスです(蛇足:inox とはステンレスのこと).日本製のグレステン鋼らしい.価格は4500円程度.口金が付いていないところがちょっとマイナス. あとは知らないメーカーでしたが,藤次郎とか藤寅作というのが価格の割に評価が高いようで,選択肢が多いです.藤次郎DPコバルト合金鋼割込口金付 F-803 というのがアマゾンだと検索トップに出てきます.
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またこれに似たもので藤寅作 割込口金付 FU-803 というのがあります,
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価格は2千円以上安いのですが,材質は全く F-803 と同じの販売チャネル違いで単にブランド名が違うとのことです.藤次郎のほうはある程度再販価格を維持していて,サポートがちゃんとしていると認められているお店に卸し,それ以外の販売チャネルに対しては藤寅作というブランドで出すと言うことになっているようです.なので,アマゾンで買う限りは安い方でいいということになるかと思います. あとは更に安いので藤次郎 カラー モリブデンバナジウム鋼 F-182BL というのもあります.
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これだと二千円台です.しかし口金が付いていないのと鋼材が違うところが気になります.モリブデンバナジウム鋼は,前のコバルト合金(VG10の割込)と同様ステンレスで錆びにくいですが,硬さ,切れ味,研ぎやすさに若干劣るところがあるようです.ただし逆に刃持ちに優れるという利点があるとのこと.私の場合は研いで使うことになるので,FU-803 が良さそうだという結論に至りました.よってこちらをポチって終了といたします.