いよいよ弾頭装着です.使用するのはシーティングダイ.
うちのはすでに長さを設定した状態で Hornady の conversion をつけているので,ワンタッチで作業が出来るのですが,ダイの設定の仕方も紹介したいのであえて一度外しておきます.
ロックナットとシートアジャストネジは上に上げておきます. とりあえず最初はダイの高さを決めます.まず先ほどパウダーを詰めた薬莢をホルダにセットします.
ハンドルレバーを下げてホルダを一番上まで上げます.その状態でダイを締め込んでいきます.
すると薬莢のマウスにあたって止まります.
そこから 1/2 回転ほど戻します(上に上げる).
その高さだとクリンプは掛かりません.ダイを下げていくとクリンプが段々強く掛かりますが,弾頭のシート量を調整してからでないとクリンプはかけられませんので,いずれにしてもまずはここでロックナットをセットしてダイの高さを固定しておきます.
ホルダを下ろします.
で,弾頭を載せます.
ボートテールだと多分こんな感じに若干斜めになっても置くことが出来るでしょう.
このまま,もしくはボートテールでなければ手を離すと落ちてしまうかも知れませんので,その際は手で押さえながら,ゆっくりとホルダを上げていきます.
シートネジの調整にもよりますが,ある程度下げてあれば,このように長くシートされると思います.
一度計ってみましょう.
3.3855" ですか.一応 COAL は 3.250" 弱を考えていますので,これでは長すぎます.従ってホルダに戻します.
シートネジをまた下げます.
で,ハンドル操作してシートしてまた長さを見ます.
3.2870" 少し近くなりましたね.でももう一声.また下げます.
シートしてまた計ります.
3.2490" おっと 1/100" 短くなりましたが,これで問題ないのでここで確定させます.ちなみに長い場合はネジを下ろしていけば同じ弾に作業を繰り返して短く出来ますが,短くなりすぎた場合はプーラーなどで引き抜かないとダメで不可逆なので,くれぐれも短くなりすぎることのないようにしましょう. シート量を確定させたら,一度弾をホルダに載せます.
で,シェルを上げて,シートネジのロックナットを締めて固定します.
このあとホルダから出来上がっている弾を外します.調整は終わりましたので,これ以降はこの設定で弾ができますので,次にシーティングするためのパウダーの装填された薬莢をホルダにセット,弾頭を載せてシーティングします.一応設定があってるか確認しますが,大丈夫なはずです.で,あとはどんどんシーティングしていきます. ちなみに例え弾の全長(COALといいます)が同じでも,弾頭が違うとカーブ(ogive)が異なるので,シート深さの設定ネジの調整は変わります.ダイを分解すると分かりやすいですが,シーティングステムが弾を保持する部分は tip ではなく ogive だからです. なお射撃場では一発装填しか出来ないので,クリンプを掛ける必要はありませんが,猟場では発砲時にはマガジンに弾を入れた状態であることが普通で,このとき衝撃で慣性によりマガジン内の弾頭がマウスからずれる可能性があります.それを防ぐためにはクリンプが必要です.クリンプはシーティングダイのプレスへの固定を深くする方法と,クリンプダイを使う方法がありますが,これはまた後ほどエントリに起こしますので,とりあえずは射撃用装弾が完成したということで.
動画にしてみました.
【リロードの実際シリーズ・目次ページ】
Step 12:クリンプ(掲載予定)