Step 3 でゲージを飛び出しているとか,ぎりぎりだからそろそろフルサイズかけておこうという判断をした場合は,ネックサイズはかけずに,フルサイズをかけます. といっても,ネックサイズとの違いは実はルーブくらいです.ネックサイズの場合はドライルーブが使えるとか,コレットダイを使う場合はルーブが要らないわけですが,フルサイズの場合は普通のルーブを使います.
ここでは定番とも言えるサイジングダイワックスを使います.指先で薄く塗ります.
塗る範囲はボディの上半分くらいで,あまり下の方まで塗らなくても大丈夫です.下の写真の赤線の範囲くらいが適当だと思います.
ネックやショルダーには付けません.あまりつけすぎると,リサイズ作業の時にハンドルが重くなったり,薬莢のへこみ(デントと言います)が出来たりします.まあ多少凹んでも使用上は問題ありません. フルサイズダイの外観はネックダイと同じです.記号で FL と刻印されていればフルサイズ,NK ならネックサイズです.
今回のやり方ですと,最初にデキャッピングダイで雷管を抜いてから,薬莢を洗浄しているので,すでに雷管はついていません.よって雷管を押し出すピンは不要なのですが,つけたままなのは,このピンを保持している部分がエキスパンダーボールについているので,その位置を確認するためにはピンがあったほうが楽だからです. フルサイズダイをプレスにねじ込んでいきます.
シェルホルダ(ラム)を上げておき,ダイがそれに当たって止まるまでねじ込みます.
当たったら一度ラムを下げてから,ダイをあと半回転ほど締め込み,そのあとラムを上げます.これによりシェルホルダがダイを押さえることになるので,ロックナットを回したときにダイが動かないわけです.ロックナットを締めます.
ルーブを付けた薬莢を用意します.
シェルホルダにセットします.
ハンドルを下げていきます.薬莢がずれているとダイに衝突するので注意します.
ぐいっとハンドルを押し下げます.
下まで下げたら,今度は上げますが,途中で引っかかりを感じると思います.
この辺りでしょうか.ダイの内側にあるエキスパンダボールが薬莢のネック太さを適切な大きさまで広げるため抵抗を感じるわけです.ハンドルを最後まで上げます.
できました.
分からなくならないようにローディングブロックに順番に分けて立てておきます.
処理前(上)に比べると処理後(下)はわずかにボディ下部の色が違ってみます.
写真だと分かりにくいですが.....リサイズしたら塗ったルーブは軽く拭き取っておきます.
動画にしてみました.
【リロードの実際シリーズ・目次ページ】
Step 12:クリンプ(掲載予定)