さてここまでの作業は一般的に case prep と呼ばれる段階でした.射撃が終わったら,すぐにここまでやっておくと,汚れ落ちも早いので効率的なのですが,どうしても射撃後は疲れてしまって後回しになってしまいますね.実際は case prep が終わった状態で薬莢をしまっておくと便利なのですが.反省. プライミングはプレスに標準でついている機能で行うことも出来ますが,ハンドツールを使った方が手早く出来るので,今回はその方法で行います. まず用意するのは,準備が出来た薬莢,ローディングブロック(薬莢立て),プライミングツール,そして雷管です.あ,安全ゴーグルの着用もお忘れなく.
ここで使っているのは RCBS の universal hand priming tool なので,ユニバーサルタイプ(いろんな caliber に対応)のシェルホルダが最初から組み込まれていますが,このようなタイプではない場合は,その caliber に専用のシェルホルダが必要になるので注意しましょう.では作業に移りましょう. 雷管は使う分だけスリーブから出します.この例は40個です.
雷管トレーの上にプライミングツールのトレーを上下逆にしてかぶせます.このとき雷管が全てかぶせたトレーに覆い隠されるようにする必要があります.
ぴったりと密着させた状態でひっくり返します.
もとのトレー(黒い方)をどかすと,こんな感じになっています.
丁寧に作業すればアンビル(anvil, 銃砲用語としては,撃針が雷管をたたいたときに狭隘な部分を構成することで発火させる衝撃を作り出すためのパーツで原意は鉄床)が全部上を向いているはずですが,裏返ってしまったのが2個見えますね.トレーを左右に揺すると,トレーの溝にプライマの角が引っかかって,アンビルが全部上に向きます.
トレーも真ん中には蓋を止めるための穴があるので,その部分のプライマは手でどかします.
蓋を載せます.
押し込んだ衝撃でプライマがひっくり返ってしまうことがあるので注意深くやります.蓋のパーツには外にプライマがこぼれでないようにシャッターがあるので,これを閉めておくとよいですね.
本体にはめこみます.
ツールのプッシュロッドには何も乗っていないと思いますが,
トレーのシャッターを開けて本体側を下に傾けますと
雷管が落ちてきて,プッシュロッドに乗ります.
薬莢を取り付けるときには必ずここをのぞいて雷管が正しく乗っているか確認しましょう.スモールライフルだと雷管が横倒しになった状態でプッシュロッドにのる可能性があって,そのまま押し込んでしまうと爆ぜますので,くれぐれも注意を怠らないようにします.また薬莢側もプライマポケットに異常がないかダブルチェックします. 確認したら薬莢をセットします.
きちんとセットされているか確認します.
OKならぐいっと握り込みます.
うまく装着できました.
薬莢の底面よりほんのわずかに凹んだ状態が正常です.
間違っても出っ張っていてはいけません. 出っ張った状態だったら,プライミングツールをトレー側に倒して,本体に雷管が入っていない状態にします.要するにこういう状態です.
そしてトレーのシャッターをしめて雷管が本体に入らないようにします.この状態で薬莢をツールにもう一度セットして,ハンドルを握りこんで,さらに雷管を押し込みます.
動画にしました
【リロードの実際シリーズ・目次ページ】
Step 12:クリンプ(掲載予定)