FL NK ST の３ダイセット以外に持っておいた方がよいと思うプレス関連工具をあげます． まずは Bullet Puller （弾頭引き抜き具）です．
ハンドロードをしていると，弾頭を載せ替えたくなることがしばしばあります．もちろんシーティングしてから失敗に気づくこともあるでしょう．そんなときに便利なのが Bullet Puller です．ハンドルを回して弾頭をクランプし，プレスレバーを上げて引き抜くわけです． このタイプ以外にはキネティック（もしくはイナーシャ）と呼ばれるものもあります．
ハンマー部分が開くようになっていて，中に弾を固定して，ガンガンたたくと弾頭が勢いで外れるというものです．が，クリンプしたものは抜けにくいですし，何回もたたくとうるさいし，工具自体も壊れそうです．それなりに出番もありますし，値段もそれほど高いわけではないので最初のタイプを用意しておくのがいいと思います． あとはデキャッピングダイもあるとよいと思います．
薬莢をクリーニングするときタンブラーをかける場合が多いですが，動作音が大きいし，本体もかさばるため，私はタンブラーを使っていません．でも汚れたままの薬莢をサイジングすると，ダイの方が傷む恐れがあります．そのため何らかの方法でクリーニングする必要はあるわけですが，うちの場合は洗浄剤に漬けて，要するに洗っています．洗った後は当然乾燥させますが，雷管が着いたままだと水も抜けにくいし，なにより綺麗になりにくい（雷管内部から汚れが出てくる）ので，その前に雷管は除去したいわけです．そんなときデキャッピングダイなら安心して使えるのです． あとクリンピングダイも必要性は低いですが，狩猟用途に重きを置く場合はあってもよいかと思います．というのは，基本的にはシータ―ダイでもクリンプできますが，射撃の方が数多い場合はダイの設定をクリンプなしにしておく場合もあるでしょう．そのときあとからクリンプだけしたいのにダイの設定をいじるのが面倒，という場合はクリンプダイを別にもっていると便利です．
そうそう大事なモノを忘れていました．プレスを使うにはダイに加えてシェルホルダーが必要です．
Forster の Co-Ax は要らないみたいですが，他のプレスだと普通はキャリバータイプごとに必要です．が，下の部分の形状で決まっているので，例えば 30-06 と 308win は同じホルダーが使えます．いずれにしてもこれがないと薬莢を固定できないので，かならず一緒に買いましょう． 似たものにプライミングシェルホルダーというのがあります．
形状は似ていますが，よく見ると下の部分が平らになっていますので，プレスにはつきません．これはプライミングツールの種類によって必要となる場合があるホルダーなので，またそのうち説明したいと思います． あとは lube も要りますね．薬莢が straight wall な場合はダイにカーバイドタイプを使うと lube が要らなかったりしますが，ライフルの薬莢は bottleneck case が普通なのでサイジングするときには必須です．これ買っておけば間違いない，という大ヒット商品はこちら．
ただし専用品を買う必要はなくて，もしラノリンを持っていたらそれでも同じです．スプレータイプも便利ですが，ラノリンをアルコールに溶かせば同じだったりします．ちなみにサイジングしたあとは拭き取ることになりますが結構面倒です．で，もしネックサイズだけならべとつくことのないドライルーブもあります．
大きなつぶつぶがメディアとして入っていて，そこに粉がまぶされています．この粉はマイカ（雲母）だったりグラファイト（石墨）だったりしますが，いずれにしても金属が焼き付かないようにする成分です．この容器の中に薬莢のネックを突っ込むと，メディアについた粉末が薬莢に適量くっつく，というわけです．粉末の中に直接突っ込むとかなりたくさんついてしまったりしますから，買うならメディア付きのドライルーブにした方が良いと思います．
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